業務トピック

NHKとの契約と時効

NHKとの契約

前回記事でNHKの受信料(定期給付金債権)とその大元になる定期金についてのご説明をしました。そして、受信料は5年で時効にかかるとのご説明も致しました。
その中で、大元の定期金について契約が必要なのですが、前回記事ではその論点は割愛していますので、今回はそのご説明をしたいと思います。

NHKとの契約義務

放送法64条で受信設備(多くの場合はテレビ)を設置すれば、NHKとの受信契約をしなければならないとしています。この条文は、NHKとの契約義務を定めていますが、テレビを置いたら契約したことになるというわけではありません。
そうすると、契約しなければ、いつまで経っても受信料は払わなくてよいのではと思いますが、実はそうではありません。

民法414条2項によるNHKとの契約強制の裁判

民法414条2項は、意思表示をしなければならないのに、それをしない者について、裁判で強制的に意思表示をさせることができることを定めています。
この結果、NHKが契約をしてください!と訴えてきましたら、この条文と放送法64条によって、契約の意思表示が強制されます。
なので、訴えられたら、契約成立になるのです。

問題は、NHK受信料の時効との関係

契約が強制された場合、その効果は受信設備(多くはテレビ)を設置したときに遡ると最高裁はいっています。つまり、そこから受信料は発生していたことになるのです。
問題は、その次です。
時効は、その権利が行使できるようにならないと進行しないのですが、契約手続きができていなかったことから、NHKは受信料請求ができなかったと考えられ、いつから請求できるようになったかというと、先ほどの契約強制の裁判で勝ってからということになります。
そうしますと、大昔のNHK受信料も裁判時からしか時効が進行しませんので、事実上、時効になるNHK受信料債権はないことになります。
つまり、契約自体をしないと逃げてきた場合、最悪裁判されてしまうと、全額支払うということになるわけです。ですので、この場合は、時効による解決は不可能ということになります。

いつ設置したのか

ただし、いつ設置したのかという点については、問題となりますので、果たしていつから受信料が発生していたのかということは論点として残ることになります。

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