業務トピック

生前贈与による名義変更と相続による名義変更

生前贈与によって不動産の名義を変えたいというニーズは結構多いのですが、実際はあまりなされていません。
それには、金銭的なデメリットが多いからという事情があります。
生前贈与による名義変更登記と相続による名義変更登記の司法書士費用はそんなに大きくは変わりません。
大きく違うのは、税金なのです。
生前贈与での登記の税金(登録免許税)は市役所が算定している固定資産評価額の2%となっています。
つまり1000万円当たり20万円です。
一方、相続登記での名義変更での登記の税金(登録免許税)は 固定資産評価額の0.4%です。
つまり1000万円当たり4万円です。
このように登記の税金が5倍も違うのです。
また、一定の場合には、贈与税が回避できる制度がいくつかありますが、この制度を一般の方が利用するのは、手続きが難しいので、税理士の支援が必要です。従って、生前贈与では税理士費用もかかります。
相続の場合は、相続税がかかる場面でなければ税理士は基本的に不要です。なぜなら、基礎控除以下の財産の場合(3000万円+相続人の数×600万円)までは、相続税の申告すら不要であり、全国民の90%以上が相続税の申告を要しないと言われているからです。

このように、通常は生前贈与の方が費用がかなりかかるため、あまり利用されていません。

しかし、亡くなったあとに相続人が多数見込まれて大変そうだからというような場合(典型的には子供がいないので、兄弟や甥が相続人になってしまうので、配偶者などに名義を移しておきたいという場面) や、自分の目の黒いうちに名義を変えたい場合や、逆に相続税対策が必要なくらい資産があるような場面が考えられます。
そのような場合には、生前贈与の手続きがされていますが、何分、税金のリスクを考えてやらなければなりませんので、税務面での見通しを立てた上での検討が必要となります。

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