業務トピック

借りてないけど時効援用

勝手に名義を使われたなどの場合、そもそも契約を争うということで、債務を認めないという方法もあります。
これが古い債務ですと、時効になっているということもあります。
そういった場合、実務上、時効援用することで処理されることが多いです。

どういうことかといいますと、物語的な世界観ですと(普通の人間の認識)

「契約をした→時間が経った→時効援用だ」

という流れになると思います。

「契約をしていない→時間が経った→時効援用だ」

には違和感を覚える方の方が多いと思います。しかし、実務はこちらで回っています。

それは法律の世界観が異なるからです。
法律では「払わないといけないか」「払わなくてよいか」の2択だと考えます。
払わなくてよい理由というのは、そもそも契約していないという場合もあれば、時効援用をしたからだという場合もあります。
法律の世界観では、結論を重視しますので、どっちも同じことだという風に捉えます。
契約が有効だったか無効だったかは、争いの余地がある一方、仮に有効でも、どうせ時効援用したら解決なんだから、時効援用で処理することになるという世界観です。

逆に捉えますと、払わないといけない場面というのは、契約が有効であり、さらに時効でない場面となります。どっちか一方が揃わなければ払ってもえないという結論になりますよね。

法律では、主張する責任や立証責任といって、どっちが主張したり、立証したりしないといけないかという問題もありますが、いずれにしても、どうせ時効になるという場合、その点を考えてもどうせ、やっぱり時効だということになります。(時効援用だという主張があることは前提ではあります。)
つまり、請求を否定する理由が最も簡単なものを選ぶというのが法律的な感覚となります。

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