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裁判では準備書面も証拠になる

裁判で提出する準備書面は、通帳、主張を展開するもので、証拠では本来ありません。
しかし、準備書面で触れたことや、触れなかったこと、主張の変遷など、当事者の認識の変遷が訴状・準備書面(答弁書・準備書面)に一連として表現されます。事実認定が証拠から直接難しい場合、主張の展開経緯自体もその証拠群の解釈の一つとして用いられます。裁判では弁論の全趣旨といって、主張を補足して捉えるとという形で、主張そのものを裁判所が補完して捉えますが(主張したつもりがしてないとなると不意打ちになるので、合理的な範囲で)、この機能は証拠としての機能も有します。
したがって、先行準備書面と後行準備書面の変遷というのは、注意深く見る必要があります。

法律というものは、法則性をあらかじめある程度定めたものですが、人間が行う通常の行動=経験則を法律という文章に落とし込めたものであるともいえます。こういう風に動くはずだということで、法則を決めるわけですが、こういう風というのには解釈がつきものです。
さらに、事実は虹色だともいわれます。事実は、固定的なものとしてとらえられがちですが、事実にも解釈がつきまといます。
ですので、法律問題を考えるとき、解釈性を避けては通れないのです。
主張の変遷というのは、解釈の少なくない材料になります。一貫性がとられているのか、そうでないのか。そのあたりも裁判所は見ています。

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