業務トピック

労働事件とブラック・シープ効果

労働トラブルに見舞われて相談に来られる人は、仕事ができる人が少なくありません。仕事ができなくて爪弾きにされるというより、できるから爪弾きにされたという方が少なくないのです。
社会心理学では、ブラック・シープ効果というものがあります。集団内で異質だと感じられてしまうと排除されるというもので、白い羊の集団の中に黒い羊がいるというようなイメージです。
この対策には、迎合、無視、逃避の3類型があるとされており、迎合はその職場で白羊として振る舞うことであり、無視は突き抜けて淡々と仕事で応える、逃避は、退職して別の職場で白羊として見てもらえるところを探すというものです。
完全無視はなかなかできることではないので、迎合をしてなんとか適応をしようとする方は少なくないと思いますが、仕事ができる故に、どうしても目立つので、やっぱり黒羊であるとされてしまいがちです。
そういうことで、労働トラブルに見舞われるのは、仕事ができる人になりがちです。
突き抜ければ、社会的大成功を収めることも可能だとされていますが、心理的にそうそう簡単なことではありません。
労働の裁判は簡単ではありませんが、労働トラブルの相談は、仕事ができる方からの相談が少なくないので、裁判手続きをご説明すれば、多くの方がこなせます。
労働トラブルでのご相談は、仕事ができる人が少なくないのはなぜだろうと当初は思っていましたが、できるから、排除されるのだというのは、悲しい感じがします。

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