日本の生活保護行政は欧州の数十年遅れてるかも。
①劣等処遇の原則(まともな生活ができる扶助はしてはならない。)→②回復的処遇の原則(貧困は個人の問題。貧困に陥った理由を取り除く)→③普遍的処遇の原則
③に欧州は1950年代に達しており、さらに欧州の現行法では予防的法制度との一元化も図られ、スティグマの防止にも工夫がなされている。例えばドイツでは失業保険と生活保護は同一法に規定されている(2005)。
日本は②と③の間くらいか。よく年金より安いようにすべき云々といわれるので国民意識は①だろう。
岡村重夫は主体性を大事にしており、社会福祉によって社会関係を統合する主体者としての人間像を描いている。これがないと自己疎外が生まれる。他書によると和辻哲郎の人間の学としての倫理学についての発言が少なからずあったようで、社会関係を和辻哲郎の文脈で理解することが妥当そう。間柄は行為的連関であり、要求と充足は自他不二において形成される。
社会福祉原論は昭和58年発行。今も岡村重夫を超えた理論家は日本では出てきてないそう。
現行生活保護法では救えない貧困のリアルがある。少なからず共通してたのが教育への支援の日本の希薄さである。高校は生業扶助として生活保護の対象であるが足りずに働く学生ばかりである(その分は収入認定しない)。大学進学に至っては生活保護保護法では世帯分離される為、全て自己責任を強いられる。奨学金で数百万の借金を負い、それでも学費捻出できず退学したり、捻出の為に風俗で働く。そしてメンタルを壊す。風俗は職業選択の自由とされるが本当に自由なのか。選ばされていないか。幸福度上位国は北欧のみならず中米のコスタリカなども高い。教育に投入している国である。女性労働は補助的なものとされてきたため、賃金がめちゃくちゃ安い。女性の奨学金返済は極めて負担が大きい。
シングルマザーの六割弱が貧困である。異常である。