アマルティア・センのケイパビリティから。貧困は金銭のみにあらず。その本質は排除である。もちろん食べられないことは直接的な死を意味する。貧困はそれだけではない。自分が決める社会への参画の阻害や、自由や権利が保障されていないこと、そして差別や社会的不利についても問題視する。社会的排除の要因は①所得の欠如②特性・属性に対する配慮・調節の欠如③社会環境の未整備による。
貧困の根絶には市民のための生産が必要であり、資本(ソ連等の共産主義も国家資本であり同列)のためではない。売るためではなく使う為に生産するのだ。生産関係を変えなければならない。昔は貧乏だけど良かったという感覚は生産の為の技術や知が市民にあったからである。そうした共同体が生きていた。今はどうだろう。生産の構想を担う人々と実行を担う人々はどんどん分離されている。(テイラー主義)こうして貧困は人工的に作られていく。
みんなが貧乏だったけど良かったと言うが、みんなが貧困だったけど良かったと言わないのはこうした理由による。
貧困は人を殺す。貧困や差別で明日を諦めようとしている人がいる。
司法書士相談業務 貧困との闘い
