氷河期世代以降を「貧困世代」と名付ける。右肩上がりの経済は終わり、頑張ればいずれ報われるということはなくなった。貧困世代はブラックな仕事で精神的にも追い詰められている。最低限、普通に暮らすこともままならない。ワーキングプアの仕事の若者の親との同居率は77.3%。住居費が賄えず独立できないでいる。ワーキングプアのうち、アフター・ハウジング・インカム(家賃を支払ったら残るお金)が10万円未満の人が77.7%。家族とうまくいっていなくても実家から出られない牢獄のような環境も少なくない。高度経済成長社会に家は市場性に委ねることを前提としてきたが、その前提では立ち行かなくなっている。住宅支援の有無と世帯形成率には高い相関があり、住宅支援の貧弱さが少子化の有力な原因と欧州では指摘されている。(フランスや北欧では住居費負担が少なく世帯形成率が高く、日本やイタリアは負担が多く、世帯形成率が低い。)
また大学の授業料も上がってきており、比例して奨学金の負担が増え、数百万円に上り、この債務を負いながら生活するのは困難極まりない。
欧州と比べ教育への公的投資が日本はとても少なく自己責任。それで回っていたのは企業が人を育ててきたからだが、非正規化によりそれもなくなった。