不動産の相続登記  抵当権の抹消

相続登記は、権利を守る手続き。

とても手続きはややこしいし、お金がかかるのも負担感のある手続きですよね。
しかし、このままでいいかというと、明日は大丈夫でも、いずれ、このままにしていたのではまずい・・・ということになってきますので、なるだけ早い手続きをお勧めしています。

相続登記はやらないといけない? 
権利?義務?

義務的相続登記

現在、2020年改正として相続登記の義務化が議論されており、
義務化する改正がなされる可能性が高いと言われています。

この義務化による相続登記は、法律上の割合での登記であれば、相続人の一人からすることもできます。
亡父⇒ 母2分の1 長男4分の1 次男4分の1というような登記です。

但し、この登記では、いわゆる権利証(現在はパスワード。登記識別情報といいます)は、申請者の分しか出ず、権利証がないことで、その後の取引で、費用が余計にかかりますし、名義ができた分、申請者以外の分は、勝手にその持ち分を売却されてしまう可能性すらあります。

なお、義務的相続登記(義務になるのは2020改正見込み)は、改正前もすることはできましたが、2019年民法改正前は遺言があるなどの場合は、勝手に売却されても、権利を取り戻すことができましたが、2019年7月以降、勝手に売却されますと、権利を取り戻すことは基本的にできなくなりました。

権利的相続登記

逆に、長男が全て相続するような場合、
亡父⇒ 長男  という登記は、これは権利的な相続登記であり、長男にしか名義がいかないので、勝手に売却される恐れはありませんし、その後の売却などの取引も円滑に進みます。但し、この場合には、母と次男にも実印と印鑑証明を必要とします。(なお、義務的相続登記を他の相続人が勝手に進めて売却されてしまうという危険はあります。)

以上を踏まえ、権利による相続登記をすることは、権利を守る上でも、その後の売却などの取引のことも考えますと、大変望ましいことです。一方で、義務化による登記をとりあえずしておくだけというのは、危険性が高く、お勧めすることができない登記であると言えます。

相続登記に必要なこと

相続登記では、不動産を誰のものにするかということを相続人全員で決める必要があります。(もし行方不明の人がいれば、裁判所で、行方不明の人の代理人を選任する手続きなど、必ず相続人全員が関与することが求められます。)

そして、ご本人確認のできるものを用意して頂き、印鑑証明書を用意いただく必要があります。

その他の書類として、相続人を確定させたりするのに戸籍や住民票、登記の税金の計算の為に固定資産評価証明書などが必要となりますが、基本的に司法書士が手配するので、あとはお任せでも大丈夫です。

権利証は要らない?

権利証は、法律上は求められていませんが、戸籍に誤りがあったり、古い住民票が入手できないなどで、相続登記に必要な書類が全て集まらない場合などには、権利証を補強資料として使うことが実務上行われております。そういった特殊な場面や、不動産を特定するなど準備作業の円滑にあたっては、必要となりますので、あったほうが良いというようなものですので、ないからといって、手続きができなくなるわけではありませんので、ご心配は要りません。

標準的な相続登記はどのくらいの費用がかかる?

  • 標準的なもので司法書士費用が6万円から12万円くらい
  • 戸籍など必要な書類の実費として数千円から3万円くらい
  • 登記の税金として数万円。(不動産の価値の0.4%。1000万円あたり4万円の計算です。)

合計  10万円~十数万円くらいが標準的な費用となります。

特殊な相続登記

  • 相続が何度も発生しており、2代、3代となっているような場合は、相続人が大人数になっており、時間と費用がかかります。
  • 相続人の中に、未成年がいる場合
    この場合、裁判所で特別代理人という未成年の代理人を立てる手続きが必要となります。その手続きに数万円の費用が見込まれます。また、この場合は、基本的に未成年者の権利を保全する必要がありますので、特別な事情がなければ、未成年者の法律上の権利分は名義を取得させる必要があります。
  • 相続人に行方不明の方がいる場合
    不在者の財産管理人の選任といって、行方不明者の代理人を立てる必要があります。不在者の財産管理人は、行方不明者の為に動く必要がありますので、その分の権利を取得させる必要があります。不動産名義を共同取得して、売却するか、家を残したい場合は、その権利分にみあう金銭を用意する必要があります。
    もう一つの方法に失踪宣告といって、原則7年以上行方不明の場合に、死亡したとみなす旨の申立てをする方法があります。
    いずれの場合も、行方不明者が見つかった場合には、裁判所の手続きはストップします。(直接、相続人間でどうわけるか話し合いをすることになります)
  • 遺言がある場合。公正証書遺言や法務局保管遺言以外の場合は、裁判所で検認手続きをする必要があります。検認は、裁判所で記載内容について状態保存をする手続きなのですが、検認をしていない自筆の遺言は、手続きには使えないのが実態です。費用として数万円が見込まれます。

抵当権抹消

抵当権抹消登記でよく問題となりますのは、権利者の住所です。
よく、家を購入前の住所で登記されていることがあり、その場合、まずは住所変更登記をしたうえで、抵当権の抹消登記をする必要があります。費用は数万円が見込まれます。

通常、住宅ローン完済後、時間が経っていない場合は、論点らしい論点がないのが通常ですが、完済して時間が経つと、金融機関自体が倒産しているなどして、論点が生じることがあります。倒産している場合は、通常、その事務を裁判所が選んだ弁護士(清算人といいます)が引き継いでいますので、最終的に手続きはできるのが一般的です。

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