業務トピック

経験則と行動ベクトルの変化

ある場面で、通常ならこういう行動を行うというのを経験則といいます。

例えば、多額の貸付を行う場合、契約書はふつうは作るというのは経験則です。
ところが、少額の場合はどうか。作ることもあるくらいでしょうか。
1万円とかだと、作るほうが稀でしょう。
故に、高額の貸付を行う場合は契約書を作るというのは経験則ですし、少額の場合は作らないというもの経験則です。
ところが、貸金業者だったら1万円でも作るでしょう。
つまり、貸金業者は金額の多寡に関わらず、契約書を作るというのが経験則になるわけです。

経験則は、このように普通はこうするということですが、逆の方向にも使えます。
高額な貸付があったか争われている場合
契約書がないという事実がある⇒高額な貸付は契約書なしにふつうはしない⇒高額な貸付なんてなかったはずだ
という風にも考えられるわけです。

別の場面も考えてみましょう。
町で唯一の受験予備校に毎日通っていた(継続性のある事実)⇒通わなくなった
この場合、こんなことが考えられます。受験が受かったから。または受験をやめたから。
(この時代、WEBで受けられるところがあるので他校に移ったという可能性がありますが、今回はそれはない前提で考えています。)

さらに他の事実にこんなものがあるとしましょう。
「本人は、絶対に合格するまで受験をやめないと毎日頑張っていたという証言が複数ある。」
そうしますと、受験をやめた説は弱そうです。
合格した可能性が高いですね。

このように、ある行動があったのに、その行動がなくなってしまう場合、それには通常、理由があります。

とりわけ大きな矢印となるようなベクトルが方向転換したり、消えてしまったなら、そこには理由が必ずあるでしょう。

大きな矢印となるようなベクトルは、通常継続するものです。継続性のある事実が変容するというのは何かあります。
継続しなくなったら、そこには理由があると考えるのが自然でしょうね。

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